ハラスメントの起こりやすい状況とは?職場編

職場においては、やはり上司と部下の関係が一番ハラスメントが起こりやすいです。

春は新入社員が入り、新人研修の関係で仕事量が増えたり、飲み会の機会が多かったりするため、ハラスメントもより起こりやすい季節と言えます。社内風土がまだよく分からない新人に対して、その弱みにつけ込んでセクハラやパワハラをする上司もいるかもしれないので気を付けましょう。

たとえば、あなたが仕事でミスをしたとします。取引先との関係にも影響があるような、決して小さくないミスです。上司からそのミスの内容に対して注意を受け、反省を促されるのは当たり前であり、ハラスメントとは言えません。しかし、大勢の前で大声で人格の否定をされる、物を投げられたり叩かれたりする、「明日から出勤しなくていい」と言われるなどは、パワハラと言えます。

つまり、ミスという非があったとしても、過剰な叱責はハラスメントなのです。ハラスメント被害者は、自分が悪いから被害に遭うのだと考えがちですが、決してそんなことはありません。ミスに関してはきっちり謝罪をし、繰り返さないよう対処しなければなりませんが、必要以上の叱責があると感じたら毅然と対応してよいのです。

特にモラハラも入っているような場合は、加害者は被害者以外には良い人のフリをしていることが多いので、被害者が孤立してしまうケースがよくあります。同期入社の中で自分にだけ当たりがきつくても、他の同期には良い上司と思われているため、誰にも辛さを分かってもらえないというような場合、自分が仕事覚えが悪いから仕方ない等と考えがちですが、モラハラかもしれないという視点を持ってみると解決策が浮かんでくるかもしれません。

通常業務以外では、やはり宴席でのセクハラやアルハラがとてもよく見受けられます。飲み会は職場なの?会社を出たらプライベートじゃないの?という疑問をお持ちの方もいるかもしれませんが、ハラスメント相談を受ける専門家の間では、二次会までは職場だと言われています。

無礼講という言葉がありますが、飲み会開始直後から本気で上司相手に無礼講ができる人はどれくらいいるでしょうか。新人が気を使って注文したり、上司のグラスが空いていればお酌したりという上下関係は多くの飲み会で見られます。会社内での上下関係がそのまま引き継がれているわけですから、飲み会の場も職場と考える方が自然でしょう。

お酒が入れば心の統制が緩みますから、性的な話題も出てしまいやすくなります。身体接触も起こりやすくなります。女性だけがお酌させられたりします。飲みたくないのに、もっと飲め飲めと言われます。不快に思ったとしても、大人ならそれくらいうまくかわせないといけないという考え方がありますが、その考え方はセクハラ加害者を加速させてしまうものです。昔気質の職場は、今でもこのような考え方が常識としてまかり通っているところが多いです。

確かに大人ならうまくかわせるに越したことはないでしょう。しかし、加害者だって大人なんですから自分や相手の気持ちよく飲める酒量をわきまえて、一緒にいる相手を不快にさせない努力はするべきです。

職場の飲み会の後で、家まで送ると言われて自家用車やタクシーに乗って性被害に遭うケースは非常に多いです。信頼していた上司から突然襲われてものすごいショックを受けたという被害者もいます。信頼していただけに、そのショックの大きさは計り知れません。残念であり情けないことですが、時と場合によっては、飲み会の後は複数で帰宅するとか、家族に迎えに来てもらうなどの自衛も必要になってくるでしょう。