実録!ハラッサーとの対決④いよいよ決着!

③からの続きです。

労働基準監督署の職員さんは、私の話を否定せずゆっくりと聞いてくれました。セクハラの具体的な内容をお話するのはすごく恥ずかしかったけど、「それも重要な情報だから」と言われ、恥を忍んで話しました。そして、やはり社長の「明日から来なくていい」という言葉は不当解雇に当たるだろうとのことでした。

無断欠勤など勤務態度に問題がある場合は別ですが、会社の都合で解雇する場合は30日以上前に予告をするか、「明日からクビ」という場合は30日分のお給料を支払わなければならないという法律があるそうです。そして、労働基準監督署がそのための指導を会社にしてくれるとのことでした。

私のせいで公的機関が動き、会社に指導が入るなんて、社長に仕返しされたらどうしようという不安も少しはありましたが、ほどなくして意外にもすんなりと解雇予告手当として30日分のお給料が振り込まれました。

さらに、労働基準監督署の職員さんから「あなたのケースでは、おそらくハラスメントがあったと認められると思います。法テラスや労働局で紛争解決の場を設けてもらえるから、ハラスメントのことも解決したいならそちらに行ってみてください」と言われ、労働局に行くことにしました。

労働局でも会社であったことを話し、文章にまとめました。そして「あっせん」という制度を利用することにしました。細かい手続きは割愛しますが、職員さんに教えられて文書を作り、会社に郵送して紛争を開始させました。

あっせんは、労働局の職員さんや弁護士さんなどが私と社長(本人は出てこず、代理人弁護士でした)の話を交互に聞いて、和解に向けて話し合いを進めてくれるという形で行われました。私の主張は、セクハラやパワハラがあったと認めて謝罪してほしいということと、今後社内でハラスメントをしないと誓ってほしいという2点でした。

社長側の主張は、「ハラスメントと言えるかどうか分からないけど、傷つけたのなら遺憾の意を表します」という微妙なものでした。あっせんの弁護士さんがハラスメントの定義を説明し、本人がこれほど傷ついているのだからハラスメントと言えるのでは?ととりなしてくれ、最終的には社長側もハラスメントの存在を認めました。

そして、私の中で最も重要な「もう二度とハラスメントを繰り返さないでほしい」という点については、「鋭意努力します」という回答でした。これも微妙というか、心が感じられないとは思いましたが、社長側もプライドがあるのだろうと思い、これにて和解となりました。

私としては、和解ができなければ民事訴訟も考えていました。でも、そこまでいかずに短期間ですべて無料で済んだことはありがたかったです。

ある友人には「そこまでやったの?ユキってこわい!」と言われました。とても傷つきましたが、後悔はまったくありません。むしろ、泣き寝入りせず、やってよかったと心の底から思います。

公的機関や弁護士さんたちが、私が受けたのはセクハラだと認めてくれたこと、社長も認めて一応謝ってくれたことが、私の回復にはとても大きな意味がありました。本当に社長がハラスメントを繰り返していないかは分かりません。それでも、社長の社員への態度に一石を投じたのは間違いないはずです。泣き寝入りしていたら、私は今でも心身ともに傷ついたままだったかもしれません。

今ハラスメントで苦しんでいる人も、どうか諦めないでどこかへ相談してみてほしいと思います。応援してくれる人がきっとどこかにいるはずです。