
1980年代に日本でセクシュアル・ハラスメントという概念が知られるようになって、それなりに長い年月が経ちました。徐々に法整備や社会資源も充実しつつありますが、まだまだセクハラに苦しむ人は大勢います。
さらにセクハラに続いて、パワー・ハラスメント(パワハラ)やモラル・ハラスメント(モラハラ)、アカデミック・ハラスメント(アカハラ)、アルコール・ハラスメント(アルハラ)などなど、様々なタイプのハラスメントが社会的に認知されるようになりました。このこと自体がこれらのハラスメントに苦しむ人の多さを物語っています。
ハラスメントとは「嫌がらせ」「いじめ」という意味です。しかし、ケースによってはこの「嫌がらせ」という言葉では軽すぎて似つかわしくないほどに酷いハラスメント被害もままあります。やりたい勉強をたくさんしようと希望に満ちて入った学校を退学しなければならなくなったり、大好きだった職場を辞めなければならなくなったり、心を病んでしまったり、生きる希望すら奪われてしまうケースも決して少なくありません。
このように、ハラスメントはただの嫌がらせなどではなく、人間ひとりの人生を左右することにもなってしまうほどの大きな問題になり得るものです。ハラスメントの加害者をハラッサーと呼びますが、残念なことにハラッサーはどこにでもいるため、一生ハラスメントと無関係に過ごせることが確約されている人は誰もいません。誰にとっても他人事ではないのです。
このサイトでは、ハラスメントとは何かという基本的知識から、ハラスメントに苦しんでいる人のための対処法までを幅広くご紹介していきます。さらに、知らず知らず加害者になってしまわないためにも、ハラスメントになるかならないかの境い目や、気を付けるべきことなどもお伝えしていきます。
いつか大切な誰かの力になれるように予習しておきませんか?
自分自身は今までハラスメントに遭ったことがなくても、いつか大事な友達や家族が被害に遭うかもしれません。そのときに大事な人を救うのは、身近にいる味方になってくれる人です。ハラスメント被害者の味方になってあげることは、簡単なようで実はすごく難しいんです。
ハラスメント被害は、当然人間関係の中で起こります。世の中には喧嘩両成敗的な考えがまだまだ根強く残っていて、被害に遭う方にも問題があると自然に考える人が意外なほど多いものです。特にセクハラ被害者の場合は、「あなたにも隙があったんじゃないの?」「大人なんだから性的な話もうまくかわせないとダメだよ」などと言われてしまいがちです。言う方は慰めるつもりだったりするのですが、こういう反応に被害者は非常に深く傷つきます。これは二次被害といって、深刻な問題です。
こうして大切な人をむやみに傷つけてしまわないためにも、ハラスメントのメカニズムや被害に遭っている人への接し方などを知識として持っておくことは、決して無駄にはならないはずです。参考になることもあるかと思いますので、ぜひ最後までご一読ください。