実録!ハラッサーとの対決③泣き寝入りはしない!

②からの続きです。

突然「明日から来なくていい」と言われ、私はパニックになりました。もう一度会社に電話をし直しましたが、電話に出た社員に社長に替わってほしいと伝えると、「社長はユキちゃんから電話があっても取り次ぐなって言ってるから…」と言って切られてしまいました。

あまりのことに意味が分からず、せめてどうして急にクビ宣告をされることになったのか、社内の状況だけでも知りたいと思い、以前セクハラの相談をしたことがある先輩の携帯に個人的にメールしました。すると、今日の退社後に社長には内緒で会ってもらえることになりました。

家まで来てもらい、会社の状況を聞きました。私が今日欠勤すると連絡をした後、社長は突然怒り出したといいます。「なんだあいつは!俺が何度誘ってやっても体調が悪いと言って逃げてばかりで!仕事からも逃げるつもりか。どうせこれからも逃げるんだろうから、そんなやつこっちからクビ切ってやる!」と言って、私に電話をしたそうです。

先輩は、その社長の言葉を聞いて初めて、私が社長に誘われて断っていることを知ったそうですが、やっぱりそうかという思いもあったそうです。私がセクハラの相談をしたときにも「これまで何人も若い女の子が社長のセクハラが原因で辞めていった」と言っていましたが、彼女たちからも相談されたことがあったため、社長のセクハラのパターンをある程度知っていたのです。

そして先輩はこう言ってくれました。「社長がいったんああ言い出したら、もう会社に戻ることは難しいと思う。戻ったところでユキちゃんも辛いでしょ?でも、失業手当の手続きもあるし、その書類の準備は私がやってあげるから、身体も辛いと思うけどお金だけでも受け取った方がいいよ。それから、セクハラとかのこと相談できるところがあるみたいだよ。詳しくは私も分からないけど、興味あるなら調べてみて」。

先輩の言葉のおかげで、少しずつ頭がクリアになってきました。社内の雰囲気的にも、私が戻るのは厳しいことを理解しました。先輩が言うように、確かに私はもう社長のハラスメントには耐えられなくなっていました。会社にかじりつくよりも、失業手当をもらいながら、社長にされたことがどういうことなのか、私の人生はこれからどうなっていくのか、ゆっくり整理したいという気持ちに少しずつですがなれました。

そして、セクハラなどを相談できるところを調べました。インターネットで「セクハラ 相談窓口」で検索したら、たくさんの情報が出てきました。いろいろ調べていくうちに、私のように突然「来なくていい」と言われるケースは法的に問題がある可能性があるということが分かりました。セクハラやパワハラだけでなく、クビ宣告のことを相談できるのは労働基準監督署だということも分かり、そこに相談に行ってみることにしました。

相談に行くことを決めた頃には、不思議と身体の重さがなくなっていました。漠然と闘おうという意志が芽生え始めたのもこの頃だったと思います。社長への怒りもありましたが、先輩の「何人もの子が社長のセクハラが原因で辞めていった」という言葉が強く印象に残っていました。

今まで私のような思いをした人が何人もいたにもかかわらず、社長や会社は何の改善措置もとってこなかったということに怒りを感じました。私が泣き寝入りしたら、きっとこれからも同じことが繰り返されます。本当に心も身体も辛かったので、もう同じ辛さを味わう人がこれ以上出てほしくないと強く思いました。そして、会社で起こったことを覚えている限りすべて、労働基準監督署の職員さんにお話しました。④へ続きます。