私がされていることはハラスメントになるの?判断に迷うときは…

セクハラやパワハラってよく聞くけど、私がされてることってそれに該当するのかな?それとも私が大げさに受け取りすぎているだけ?と思い悩む人もいることと思います。自分が受けている言動がハラスメントなのかどうか判断に迷うときには、自分の胸に聞いてみましょう。

まず相手の言葉や態度、そのときの場所や状況などを思い起こし、できれば文にして書いてみてください。そのうえで、その言動を受けたとき、どう感じたかを思い出して書いていきます。書くのが負担なのであれば、心の中で思うだけでも良いですが、日付まで含めて書いておくと、今後もし関係機関に訴えることになった時に記録として提出できるので一石二鳥です。

その時に感じたことが、たとえば「なんとも思わなかった」「性的な言葉だったけどジョークだと思って笑ってしまった」というように、あなた自身の心がネガティブに受け止めていないなら、ハラスメントではありません。ただし、あなたがなんとも思わなかった同じ人の同じ言動でも、相手によっては傷ついたり不快に思ったりすることもあります。その場合、その相手にとってはハラスメントとなり得ます。ここは大切なポイントです。

その言動によって感じたことが、たとえば「気持ち悪かった」「恥ずかしかった」「屈辱的だった」などというように不快な感情だったのなら、それはハラスメントなのです。

同じ言葉や行動が相手によってハラスメントだったり、ハラスメントではなかったりするのはなぜなのでしょう。それは、ハラスメントの定義が「受け取る側が不快に感じること」だからです。非常に主観的な定義なので、混乱する人がいても仕方ないかもしれませんが、ある意味当たり前のことです。

自分以外の人はすべて、自分とは違う感じ方や価値観を持った人間です。そして、自分以外の人とさらにそれ以外の人との関係は、自分とその人たちとの関係とはまったく別の関係です。ややこしいですが、そのことを前提に考えると、ハラスメントというものが理解しやすくなります。

つまり、ごく単純に言えば、普段から仲が良くて信頼している上司から「結婚はまだ?」と聞かれれば、「心配してくれてるのかな」と好意的に受け止められますが、元々苦手な上司から同じことを聞かれたら「余計なお世話!」と不快に思いますよね。

また、あなたが信頼している上司でも、あなたの同僚はその上司を嫌っていたとして、同僚がその上司に「『結婚はまだ?』と聞かれてムカついた!」と言っていても、その感じ方を責めるのは間違っているかもしれません。

したがって、あなたがやられていることを思い返してみて不快だとか傷ついたと感じた場合は、ハラスメントを受けているのだと考えて大丈夫ということです。こんなことでハラスメントだとか言うのは間違ってるんじゃないかとか、私の器が小さいんじゃないかということは、とりあえず考えなくても大丈夫です。

そして、自分自身では対処できないと思えるほどにハラスメントがひどくなったり、心身に不調がでてきてしまう前に、できればどこかへ相談してほしいと思います。本当にハラスメントかどうか自信がなくても、相談機関で一緒に考えてもらえることと思います。別のページで相談窓口も紹介していますので、参考にしてください。